心療内科とは
心療内科は、心理的・社会的要因から引き起こされるからだの症状を扱います。「朝、頭痛やだるさで仕事や学校に行けない」「胃のあたりがすっきりしない」などの症状はございませんか。このような頭痛、全身倦怠感、胃痛、ストレス性の胃炎(胃・十二指腸潰瘍)、過敏性腸症候群などの身体症状があり、その原因に心理的な理由が思い当たる場合は、当院にご相談ください。また、ストレス要因への自覚がなく、理由なくからだの不調が続いている方、からだの不調で内科を受診したが検査結果に異常がない場合も心の病気が引き金になっている可能性がございます。当院は皆様のストレスを改善し、楽しい日常生活が送れるよう努めていきます。どうぞお気軽にご受診ください。
このような症状のある方は
ご相談ください(例)
- よく眠れない
- 学校や仕事に行きたいのに、吐気、頭痛が出る
- 気分が落ち込む
- 何もする気がおきない
- 人前に立つと極度に緊張する
- 人混みで息苦しくなる
- ストレスで胃や腸が痛む
- 不安な気持ちが強い
- イライラしやすい
- 食欲がない
- 人間関係がうまくいかず悩んでいる
- やりたい事はあるが手につかない、仕事に集中できない
- 物忘れがひどい など
心療内科でよく見られる疾患
発達障害
発達障害は、行動や認知の特徴から主に3つのタイプ(自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習障害)に分けられます。
自閉スペクトラム症(ASD)
従来から発達障害として挙げられている自閉症性障害、アスペルガー症候群などの下位分類が自閉症スペクトラム障害で統一された呼びかたになります。男女比は4:1、人口比は100人に1人程度です。
人の気持ちを理解するのが苦手、冗談や比喩が理解できない、興味のあることを一方的に話し続ける、表情や目配せといった非言語的なサインを読み取るのが困難といった症状がよく見られます。
また、急な予定の変更に対応しづらいこと、特定の物事に強いこだわりがあり、自分の好きなことや興味のある対象には何時間でも熱中しすぎてしまい日常生活に支障をきたすなど、同一性へのこだわりや興味・関心の狭さもよく見られる特徴です。
保育園や幼稚園に入園した後は、一人遊びをすることが多く、集団行動が苦手であることから孤立してしまうこともあります。
治療に関して
西根医師は、当院と提携機関である府中こころ診療所で児童精神を中心とした外来を担当しております。PT(ペアレント)トレーニングの助言や、臨床経験から子ども達一人一人に合った治療を一緒に考えていくことが可能です。また、体に負担の少ない漢方薬を使用し、苛立ちなどの症状を緩和することも可能です。
当院は、児童発達支援スクール コペルプラス 宇都宮駅前教室様、こども発達支援学習教室 プラネット・キッズ様などの発達障害の関連機関と連携しております。幼児期の治療の場合、個別または小集団による療育によって、コミュニケーションの発達を促し、適応力を伸ばすことが重要になります。また、療育を経験することで新たな場面に対する不安は減り、集団活動への参加意欲も高まるようになります。各医療機関と連携し総合的に病状改善を図っていきたいと考えております。
注意欠如・多動性障害(ADHD)
12歳頃までに多動-衝動性(多動-衝動性優勢型)と不注意(不注意優勢型)、さらにその2つが混合したタイプ(混合型)のいずれかがみられていると注意欠如・多動性障害が考えられます。児童期によくみられるのが多動-衝動性優勢型と不注意優勢型です。
多動-衝動性優勢型は、座っていても手足をもじもじさせる、席をすぐに離れる、おとなしく遊んでいられない、じっとしていられない、しゃべり過ぎる、順番を待てない、他人の会話やゲームに割り込むなどの行動がよく出現します。また不注意優勢型は、うっかりミス(学校の勉強、仕事のミス等)、集中が続かない(遊びでも課題でも)、話しかけられても聞いているように見えない、段取りを組むのが下手、整理整頓が苦手、忘れ物や紛失が多い、気が散りやすいなどの症状がよく見られます。
多動症状については、成長することで軽くなるのが一般的ですが、不注意や衝動性に関しては、半数が青年期まで、さらにその半数は成人期まで続くとされ、思春期以降では、不安・うつ症状を併発することも少なくないため注意が必要です。
治療について
ADHDは、本人の特徴を理解した関わり方や薬物療法、環境調整が重要です。
児童期は将来自信を持って生活するための重要な時期です。また、成人は仕事が重要な位置を占めますが、職場で懸命に働いているのに誤解され、うつ症状を呈することがあります。 当院では必要であれば診断書を記載し、病状を学校や職場に理解してもらい、学校や職場と連携し本人が少しでも通いやすい環境を整えることを心がけていきます。
また、ADHDは薬物療法が現時点で75%程度有効と言われております。西根医師は、日本ADHD学会に所属し、コンサータ錠登録医師です。必要性を判断し、慎重に薬物治療を行うことで不注意、多動などの症状が改善する可能性があります。
学習障害
学習障害とは、知的な発達に関しては問題ありませんが、読む・書く・計算するといった、特定の事柄のみが困難で、それによって学業成績や日常生活に支障をきたしている状態を言います。
例えば、読みが困難というケースでは、文章を飛ばして読む、同じ行にある文章を繰り返して読むことや、文章の内容を誤って理解してしまうなどがあります。また、書くことに困難のあるケースでは、不自然と思える句読点を打つ、正しく漢字を書くことができないということがよく認められます。計算が困難なケースでは、簡単な暗算、筆算による繰り上げや繰り下げが理解できていないことがよく認められます。学習障害は、上記の能力が要求される小学校2~4年生頃に成績不振が現れるなどして気づくようになります。その結果、学業に意欲を失っていき、自信をなくしてしまうこともあります。
治療について
本人が何を理解し、何ができないかを把握し本人に合った学習方法、補助をすることが重要です。読むことが困難であれば、大きな文字で書かれた文章を指でなぞりながら読む、書くことが困難なら大きな桝目のノートを使う、計算が困難なら絵を使って視覚化するなど、症状に応じた工夫をします。
また、お子様に学習障害が現れている場合、必要なのは何よりも教育的な支援です。当院では関連施設と連携し病状改善を図ることを心がけております。
胃・十二指腸潰瘍(ストレス性胃炎)
胃・十二指腸潰瘍はストレスが引き金となって発症する可能性があり、特に仕事のストレスで責任が重くなる中高年の男性に好発するといわれております。主な症状は、胃周囲の痛み、吐き気や吐血などで、症状が進行すると、潰瘍から出血し、胃や十二指腸に穴が開くこともあります。
胃・十二指腸潰瘍の発症メカニズムは、度重なるストレスが大脳皮質を刺激し、その刺激が大脳皮質から視床下部に伝わるなどして、胃酸の分泌が促進されるようになり、胃を守るための粘液の分泌を減弱(コーティングの破壊)させます。そして胃や十二指腸の内壁は胃酸によってダメージを受けるようになり潰瘍を発症させます。以上より、早期にストレスを緩和することが非常に重要です。また、胃・十二指腸潰瘍は、ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)による感染、飲酒・喫煙、薬剤の繰り返しの使用(NSAIDs)などが原因となって発症することがございますので、原因を治療、改善することも重要となります。
過敏性腸症候群
検査をしても消化器官には、炎症や潰瘍といった病変は見つからないものの腹痛や下痢、便秘といった症状がある場合、過敏性腸症候群と診断されます。胃腸の症状のほかにも不安や抑うつなどの精神症状がみられることもあります。
同疾患の発症メカニズムですが、精神的ストレス、不安や緊張などの心理的な要因が自律神経系の乱れとなって現れるようになると、それを引き金として消化液の分泌活動や腸の運動が過剰となって下痢や便秘などが起こるようになると考えられています。また心理的要因のほかにも、暴飲暴食、アルコールの過剰摂取、不摂生な生活習慣などによって過敏性腸症候群を発症することもあります。この病気は日本人の10%程度にみられ、20~40代の世代によく見られます。男性の場合は下痢、女性では便秘が生じやすいと言われています。
治療の中心は対症療法で下痢止めや整腸剤が用いられます。またストレスの原因となっている環境要因や生活習慣の改善も同時に行うようにします。
機能性ディスペプシア
慢性的に胃痛、胃もたれ、吐き気、胸やけなどの症状があるにも関わらず、内視鏡で胃の中を観察しても何の異常も認められない場合、機能性ディスペプシアの可能性がございます。消化管運動異常(胃の運動機能低下など)や精神的ストレスによる知覚過敏などで発症する可能性があります。この疾患は、これまで慢性胃炎の一症状とされてきましたが、最近になってひとつの病気として扱われるようになりました。
治療は生活習慣病を改善することが重要です。例えば、食事が原因であれば刺激物や脂肪分の食事を控える、過食に注意するなどします。またアルコールが原因であれば禁酒、ストレスが原因なら環境を変えるなどして解消に努めるようにします。さらに対症療法として薬物療法(胃酸を抑制する薬、胃の運動を活発にさせる薬、ストレスを和らげる薬 など)も用いられます。また検査の結果、ピロリ菌の感染が確認されたら、除菌治療が必要です。
児童精神領域一般
(当院では主に中学生以上を対象としております)。
うつ病
うつ病は対人関係が複雑になる思春期に発症することが多い疾患です。しかし、子どもの多くは、自分の気持ちを言葉で表現するのは難しいので、精神症状よりも身体症状の方が目立ちます。
主な身体症状としては、睡眠障害(夜の寝つきがよくない、中途覚醒、早朝覚醒)、食欲不振、昼夜逆転(朝は具合が悪く、夜は元気に活動する)があります。精神面の症状としては、表情が乏しい、意欲が減退している(何をするにも億劫がっている)などの症状が認められることが多いです。
治療は充分な休養をとることが重要です。薬物治療での注意点としては、子どもは脳が発達段階のため成人と同様に抗うつ薬を使用してしまうと自傷の危険性が高まる可能性があります。
当院では、本人が悩んでいるストレス原因を話し合い、ストレス対処法を一緒に考えたり、体に負担が少ない漢方薬を使用し病状改善を図っていきます。また、診断書を記載し、学校に本人の病状を理解してもらい、負荷を軽減する環境調整に努めます。
心身症
主にストレスが原因で、様々な症状が出ている状態を心身症と言います。腫瘍や感染といった明らかな原因はみられず、心理的な刺激によって、交感神経と副交感神経のバランスや脳の視床下部の機能が乱れ、様々な症状が起きると考えられています。
よく見られる症状は、頭痛、腹痛、吐き気・嘔吐・頻尿などです。そのほかにも過敏性腸症候群、気管支ぜんそくといった病状が現れることもあります。
ストレスが生じる主な原因は、親との関係、学校でのいじめ、友達との関係、両親の離婚、近親者の死など多岐にわたります。当院では、本人と信頼関係を構築し、悩みの対処法を一緒に考え、必要な場合、不安を和らげる漢方などの薬物療法を行い病状改善に努めていきます。
精神科とは
精神科は心の病気を取り扱う診療科になります。主に気分障害(うつ病、双極性障害)、不安障害、統合失調症などの診察・検査・治療を行っていきます。不安、抑うつ、不眠、イライラ、幻覚、幻聴、妄想といった症状がみられる方は精神科の治療対象になる可能性がございますので、ご心配な方や症状を改善したい方はお気軽に当院にご相談ください。
(※当院は入院がございませんので、統合失調症など内服調整で重篤な副作用が出る可能性がある方、自殺念慮が強く生命の危険がある方は、外来で治療が困難な場合があり大学病院などの専門機関にご紹介させて頂くことがございますので、何卒ご了承ください)。
このような症状に心当たりのある方はご受診ください
- 常に不安である
- 気分がなんだかすぐれない
- イライラする
- 物事を悪い方向に考えてしまう
- 眠れない
- やる気がでない など
精神科で扱う主な疾患
- 気分障害(うつ病、双極性障害)
- 不安障害(パニック障害、強迫性障害)
- 統合失調症
- 睡眠障害(不眠症など)
- 適応障害
- 認知症など
精神科の代表的な疾患
適応障害
学校や職場など新しい環境に馴染めないことをきっかけに精神症状(抑うつ気分、不安、心配 など)が認められ、その後、問題行動(遅刻、欠勤、早退、暴飲暴食など)や身体症状(不眠、食欲不振、全身倦怠感、疲れやすい など)も起きるようになり、日常生活にも影響を及ぼすようになると、適応障害と診断されます。
この疾患の特徴は、環境が変化した(あるいは強いストレスがかかる出来事が起きてから)1ヵ月以内に症状が現れることが多いことです。
治療を行う場合は、原因が生活環境の変化と判明しているので、その状態を取り除けば症状は改善されるようになります。ただ、環境調整が難しいと言う場合は、できるだけストレスの軽減が図れるように認知行動療法や問題解決療法を行うほか、対症療法として薬物療法(抗不安薬や抗うつ薬、漢方薬など)を使用することもあります。
パニック障害
電車の中、人込みの中などで、動機がし、胸が締め付けられるように息苦しくなる。めまいや息苦しさから、このまま死ぬのではないかと強い不安を感じたことがある方はパニック障害の可能性がございます。
上述のようにパニック障害の定義は、何の前触れもなく、いきなり恐怖感や不安感に襲われ、めまい、動悸、息苦しさ、胸痛、吐き気などの「パニック発作」が起きること。そして次はいつ起きるかという不安感や恐怖感が常につきまとってしまい(予期不安)、さらにもしパニック発作がまた起きたときに助けが求められない場所だったらという恐怖によって、そのような状況をできる限り避けたい(広場恐怖)という心理状態に陥り、やがて外出そのものを避け、日常生活に支障が出ている場合を言います。
パニック発作自体は、数分~30分程度で治まり、心電図や血液検査などをしても異常が認められることはありません。また原因は不特定とされていますが、心配性で几帳面な性格の方に発症しやすく、発作のきっかけとしては疲労やストレスなどが考えられています。半数以上の患者様にうつ病が併発していると言われており、早期の治療が重要です。
パニック発作で知って頂きたいことは、命に係わるものではなく、適切な治療を受けることで回復できる病気ということです。パニック発作は脳内神経伝達物質(脳内ホルモン)のバランスの乱れから生じるため、薬物療法(抗不安薬や抗うつ薬)や認知行動療法を行うことで症状は軽快が期待できます。
うつ病
「眠れない、1日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめない」などの症状が続いている場合うつ病の可能性がございます。うつ病は、精神的あるいは身体的なストレスが重なり、脳に機能障害が起きている状態です。発症すると、否定的なものの見方に支配されるようになり、「自分はダメな人間だ」と感じるようになります。普段なら乗り越えられる困難やストレスが、よりつらく感じ、結果自信を失っていくという悪循環を繰り返します。
うつ病は、脳の細胞同士で情報のやり取りをする神経伝達物質のセロトニンやノルアドレナリンなどの機能不全により生じます。特に、繊細で真面目なタイプの方が病気にかかりやすいと言われております。
治療で最も大切なのは休養をとることです。また、薬物療法も併せて行われます。具体的には、神経伝達物質(セロトニンとノルアドレナリン)を増やす抗うつ薬の服用になりますが、症状に合わせて抗不安薬や睡眠導入剤なども使用します。そのほか精神療法として認知行動療法なども行います。
双極性障害(躁うつ病)
躁状態(気分が高揚する)と抑うつ状態(気分が落ち込む)の両極端な状態を繰り返す脳の病気です。激しい躁状態とうつ状態のある双極Ⅰ型と、軽い躁状態(軽躁状態)とうつ状態のある双極Ⅱ型があります。
躁状態になると、気分が高ぶっているので普段なら行わない行動が見られます。例えば、初対面の人に親友のように親しく話したり、ギャンブルやショッピングに浪費したり、上司と喧嘩し会社を退職するようなケースがあります。うつ状態になると、不眠、食欲低下に加え、趣味を楽しめなくなります。また、体を動かすことがおっくうとなり、外出をする頻度が極端に減ったりするケースがあります。
以上のような状態は、本人が病気の自覚を持ちにくく、結果大切な人間関係を悪化させる危険性がございます。
双極性障害は、環境によるストレスが影響し発症する可能性があるため、早期のストレス緩和が重要です。
治療は、環境調整に加え気分安定薬による薬物療法を行います。お薬を使用することで、気分を安定させ、穏やかな日常を送れるようになります。また、認知行動療法も有効です。認知行動療法は、自分の病気を理解し、それを受け入れるようにする(物事の捉え方や問題行動を見直す)というもので、自ら病気をうまくコントロールするための精神療法になります。
- 診療科目
- 内科・脳神経内科・心療内科・精神科・循環器科
・小児科 - 住所
- 〒321-3232
栃木県宇都宮市氷室町1702 - アクセス
- 宇都宮駅西口 14番線(バス)
水橋経由 真岡行き又は益子行きにお乗りください。
氷室で下車してください、徒歩3分で当院に着きます。
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診療時間
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15:00~19:00 | ― | ― |
休診:木曜・日曜・祝日
:15:00~17:00
※心療内科専門外来は月曜日・火曜日になります